轟く轟音に、両耳を壊されて。

 白刃の閃光に、両目を壊されて。

 きっと私の五感は、狂っているに違いない。





 目の前には何もない。
 ただただ純白の世界がずっと続くばかりだった。

 何処だよ、ここは。


「…そっか、ここはあの世か」
 思い出し、私はポムと手を打った。

 魂になっても身体を持っていた時の記憶は、残ってるもんなのね。


 私が最後に見た、白刃の閃光と激しい轟音。
 痛みは感じなかったけど、あれは多分落雷に違いない。それもかなり強力なやつ。
 多分、私は一瞬で黒こげになってしまったんだろう。

 あぁ…、花の15才で即死。


「って…ハッ!これじゃハガレンが見られないじゃないのっっ!!!」



 ジーザス!!!


 八百万の神々は、我を見放したかーーーーーーーっ!!!!



 頭を抱えて、絶叫していたところ。
 私はふと、視界内にある物を見つけた。

 真っ白な世界に溶け込むように、それでいて存在を誇示するかのように。
 その門は、静かに佇んでいた。


「……これって……」

 巨大な石碑二枚を合わせて出来たような、不思議な形の扉。
 複雑な彫刻と文様と、未知なる鉱物で創られた、謎の産物。

 だけど、私は扉に書かれたその模様に見覚えがあった。
天国に生えているといわれる、生命の木。
ユダヤ神秘思想の最奥義たるカバラでは、宇宙全体を象徴させる概念を意味するもの。カバリストのシンボルたる“セフィロトの木”。

「じゃあ、ここはやっぱり天国なのか。私はどちらかというと、神道か仏教系なんだけどな…。ま、暇だから中に入ってみるか」

 そんな興味半分で、私は扉に手をかけた。


 のちのち、この行動を後悔する時がくるとも知らないで…。





 飛び込んできたのは、理解しがたい無数の言葉の羅列。

 一人の人間が知るには、あまりにも膨大。
 そして、人間が知るにはあまりにも大きすぎる、何か。

 それらは、私の意志とは関係なしに頭の中に刻み込まれていく。

 理解できない、ただ記憶に残るだけの膨大な知識として。



「“真理”を知った代償は、…おまえの存在そのものだ」



 真っ白い、形のない声と。


 鮮明に残るのは、目の奥までも焼き付くような、純白―――。





*後書き…
・一体どこがハガレン夢なんでしょう?(他人に聞くな)
なかなかキャラが出てきません。出てくれません。(お前のせいだ)
んでもって、なぜ“真理”が出てくる?!
次こそは、キャラを出すぞ!!!(本当か?)
…管理人、脱兎。