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home dream tennis 本編こぼれ話事実は小説より奇なり*
事実は小説より奇なり*


「…で、何が言いたいの、君は? 」

「『事実は小説より奇なり』。リアルは虚構以上に奇妙摩訶不思議ってことよ。
つまり、お伽噺や物語の中でしか起こらないような奇跡が、現実で起こらないとは限らない。
だから……用心に用心を重ねた医者の言葉を信じるより、起こりえないと思われてる奇跡が起こる可能性を少しでも作るよう努力出来るなら努力すべきじゃないの? そう言いたいのよ」

「人事みたいに、難しいことをあっさり言ってくれるよね」

「だって、人事だし」

「………君もホント、いい性格だよね」

「どっかの従弟君に鍛えられたのよ」
 悪びれもなく言ってのければ、相手はさすがにそれ以上言葉を重ねてくることはなかった。
 彼も一応、『自覚』は持っていたらしい。


「…………出来ると思う? 」

「何もしなければ、何も出来ないわね。奇跡は起きるのを待っていても起こらない。
自分から奇跡が起きるよう、常日頃努力する必要はあると思うわ。
そして、何より。
『何もしないで後悔するより、やれるだけのことをやって後悔する方がずっとマシ」

「……俺一人じゃ、正直荷が重いよ」

「一人で無理なら、私も出来ることは手伝うわよ。
散々お世話になってるわけだし、一応『従姉』ですから? 」

「従姉、ねえ……」

「細かいところに突っ込まないで。『一応』ってちゃんと断ったでしょ?
あんまり細かいことばかり気にしてると、将来ビッグな人物になれないよ? 」

「俺に限って、それはないと思うけどね」

「……………そういう台詞をサラッと言えるくらいなら、問題ないと思うわよ」

 それこそ。
 起こらないはずの奇跡を、無理矢理起こすくらいのこと。
 幸村精市なら、起こすこともわけないと思うのだ。


 そして。そう思うのは、きっと私一人ではない。


 それに……何より。奇跡を起こせると、彼の可能性を信じたいのだ。

*後書き・・・
・夢主が入院中の幸村を励ますシーン。
彼女は漫画で幸村の病気が治ることを知っていますが、自分が来たことで原作と異なる筋書きになるのを懸念してます。


★使用お題:Love potion「choice-J 150」より

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